捧げ物
□帰り道
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女子校の文化祭準備は大変である。
男子がいない為力作業が多くなるのだ。
ここ、緑中も文化祭準備に体力を削っている。
「ハル、出来た?」
「あと少しです」
カタカタミシンが動く。
ハル達は創作劇の衣装製作に終われていた。
日が落ちる時間が早くなりあたりは真っ暗だ。
「ごめんね。私が失敗したせいで手伝わせて」
「ノープロレム!困ったときはお互いさまですよ」
仕上げが終わり片付け始める。
窓側の棚に友人はミシンを片付ける
「片付けは私がやるから。ハルは早く帰りな。ハルのうちの帰り道ってかなり暗いじゃん」
「でも…」
「いいから!ねっ?」
ぐいぐいとおす。
「じゃ、お先に失礼しますね」
ぺこっとおじきして家庭科室を出ていく。
「(ごめんね。ハルのカレシさん)」
心のなかで呟いた。
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