小説

□やっぱり、君は面白い
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「誰だと思います?」

素直に答を言えばいいもの。

失恋した彼女に会いにいく人は限られる。

「…獄寺隼人かい」

「凄いです!大正解!!さすが風紀委員長」

風紀委員長は関係ない。

彼は君に気があるようだからね。幼いやり方だけど。

「で、それで」

「獄寺さんいきなり抱き締めて…『泣くな』って…」

「ワオ」

彼にそこまでの積極性があるとはね。

「その後、泣くなって言われたのに泣いて」

砂糖を2つも入れた紅茶を飲む。

「いつの間にかベッドの上で寝ていたんです」

「その話とため息に何の関係があるんだい」

気の長い方じゃないのは君は知っているバズでしょ、と軽く脅す。

「はひぃ!物騒なものを閉まってください」

キィキィ、女の子はどうしてこう煩いのだろう。
いや、彼女は小動物か。

「獄寺さんにお礼を言いたいんですけど…言えなくて」

「はあ。そんなこと」

「そんなことって!ひば「今まで通りに接すればいい話。君がお礼を言ったなら彼は逆に気味悪く思うだろうね」

「…そうですよね。そうです!今まで散々『アホ女』と言い続けた獄寺さんにお礼をいうのが間違っていますよね!」

意味の捉え方が違う。

「ありがとうございます。今度はケーキじゃなくて和菓子を持って来ますね」

それじゃ、塾がありますので。と言いながら去る。


やっぱり、君は面白い

(彼とどうなるのだろうか)
(愉しくなりそうだ)

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