小説
□待ち人は未だ来たらず
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猫目の女は嫌いじゃないと思った。てゆーか、むしろ好き?
その瞳で俺だけを映してくれたらいいのに。何度そう思ったか。
本当に全てが欲しかった。髪も口も目も全て。
けれど
『獄寺さんは嫌いです!』
その言葉は俺の心を深く抉りとった。
『ハルはツナさんが…』
知ってる、知ってる
それが叶わないことも知ってる。
フラれて泣き喚くことも目に見えている。
仕方ないから俺の胸は空けておいてやるよ。
フラれたら此処で泣けば良い。
待っているから。
君が泣きながら助けを求めて来るのを。
待っているから。
君の味方で一生いるから。
100年たっても君を愛して待っているから…