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□◆◇夢でしか見れない家◇◆
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◆◇夢でしか見れない家◇◆

作曲ケイマ

硝子の窓の向こう側に映る家
一度訪ねてみたい
ずっと通り越しで見ていた家
今は冬で窓がひんやり冷たい

この街一番の長い坂
チャリで上るにはキツイけど
あの家目指してペダルをこぐよ
一人で会話もない時間を過ごすのは
この坂くらい長くて
硝子窓から覗く距離より地面を進んだ方が長くて
涙を少しこぼした

見えるのになんで辿り着かない?
もう何時間もあの家目指して走ってるのに
追いかけても追いかけても逃げるんだね
硝子の窓から見てたときは動かなかったのにね

坂を上ってる途中に出会った少女に
硝子の鍵を貰った
「あなたの目指す家の鍵だよ」

呟いてどこか彼方に去っていった
この鍵は普通の硝子より冷たくて
硬く凍てついてるような氷のように思えた。

鍵なんて着かなきゃ意味ないのに
貰っても仕様がないよ
鍵を持っているんだったら僕を連れて行ってよ
あの家に

このまま進んでも着かない家
目指してても着かない家
夢のようなあの家に行きたいよ
硝子の窓から覗いてすごく綺麗だと思った家だよ

家に帰ってすぐ部屋の硝子の窓に向かった
硝子の窓は部屋の熱気で曇っていて
手で滑らすように拭いて冷たいと思い
思い出したのはあの鍵だ
鍵を持っていた手にはもう形のない姿になって
溶けて手に赤みを残し消えていった

硝子の窓の向こう側に映る家
一度訪ねてみたい
ずっと通り越しで見ていた家
今は冬で窓がひんやり冷たい

今見てもまだ残る夢に望む家
また探してみたい
ずっと夢を見て思っている家
今は冬で部屋は熱気で少しばかり暑い

硝子の鍵の主はあの少女なのかな。
僕の夢見る家の主は少女だといいな

今日も僕は硝子の窓の向こう側に映る家を
通り越しで見るんだ
 

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