素敵な頂き物

□満月の秘めたる光の夜
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『生きてください……』

愛しい彼女の声が脳裏に蘇る



死ぬ前に大事な人を思い出すって本当なんだな…



満月の秘めたる光の夜




「シード様…話って…」

オレの言いたい事を予想している彼女は哀しげに問い掛ける


「オレは明日の戦争で死ぬかもしれない」


「わかってます……」


彼女は小さく頷く


「だから今日で最期だな」


「……わかってます…」

彼女はポタポタと涙を流しながら自分に言い聞かせるように“わかってます”と呟く


「わかってます…武将がそういう者だって…でも…生きてください」


オレは彼女を抱き締める愛しい君を抱き締める事が、できるのもコレが最期――――
愛しい君はオレの為に泣いてくれた


オレは満月の光に照らされて輝く君を記憶に残し死んでいくのだろう……


願える事なら―――


『また会おう』
 

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