□どらまちっくすとーりー
1ページ/2ページ


…私はあなたにとめてほしい。

─────


私は今日、自分のファミリーのため好きでもない男の人と結婚する。
その男の人はいい人だけど私は別に好きじゃない、興味ないんだもん…好きな人以外は。
だから結婚は、したくない。
けどファミリーを救うためだから私は体さえ張る。
遂に結婚式が始まった。
広く白い会場全てが黒く見えた、私の感情を表しているの?なんて悲しい。
…ツナ、来てくれているのかな?いやだな、こんな暗い顔の私を見てほしくない…来てないといい、そう思っても仲がいいツナは自然と来るようになってる。
十年間で貴方は大分変わったね。
ボンゴレファミリーのボスになり、あっという間にマフィア界の頂点に上り詰めた…そんなあなたはすぐに見つかる。
守護者達を引き連れて、あなたの周りは円のように人が避ける。
…ツナ…ねぇ、私は貴方が好きで辛いよ。
あなたは何も思ってはくれないのかな…?当たり前ね、だってただ仲のいい友達な私達だったもん。
でもツナ、私…幸せじゃない。
寧ろ不幸せだよ、好きじゃない人と結婚なんて。
そんな結婚をするより、結婚式をあなたに壊されて、さらわれるなんてドラマチックな方が断然幸せなのに。
無常にも時間は過ぎる、人々が"おめでとう"なんて心無い言葉を紡ぐ中、遂にツナが私の前にきた。


「おめでと、ナマエ」

『……ありがと。ツナ』

「…うん」


嬉しくない嬉しくない嬉しくない。
まったく嬉しくないよツナ…!!苦しくて悲しいの。
泣きそう、ツナ…ツナ…
目の前が歪む、早く早く早く…早く去ってよツナ。
いつまでも前にいないで早く行って…!!泣き顔なんか見ないで、私はいつでもあなたの前では笑顔でいたいの!
ツナはまだ前にいる、私は顔が歪む、うつむく。


「…幸せになれよ」

『………っ!!!』


"「…幸せになれよ」"

なんて言って欲しくなかったよ―――…

ガタンッ

椅子から立ち上がって私はウエディングドレスで走った。
後ろから婚約者の呼ぶ声がするけど無視した。
会場にいる人たちにぶつかりながら会場を駆け抜け、やっとついた会場の出口。
私は大きなドアに手をかけた。
その時…ガシッと腕を掴まれて私は…


『…っツナ、』

「…ッナマエ、待ってよ…」


静まり返った会場…私はツナに後ろから抱きしめられていた。
私はツナの腕の中でジタバタと暴れるがツナは離してくれない。
私は後ろに振り返り怒鳴った


『ツナ!!離してっ!!離し…っ!?』

「ナマエ、っ…、」

『ッ…や、ツナ!…は、…離してっ…っ!!』

「っ離さない…!」

『離してよっ…!!』


悲しいの。好きでもない人と婚約して好きな人にそれを祝われるなんて、酷く悲しくて切ない。


「ナマエっ!!」

『っ!!…』

「聞いて」

『や、だっ…!!』

「俺さ、」

『ー…!』

「ホントはナマエが好きなんだ」

『、!?…っえ』


ドクン、心臓が高鳴った。たった一言に心臓が高鳴った。
私はツナを見る、ツナは悲しそうに顔を歪めていた


「でもナマエが、迷惑なら記憶から消して」

『…それ、本当なの?』

「うん、好き。

   ナマエが好き」

『ツ、ナ…ありがと』


─────

そのあと、歓声や拍手が上がり…婚約者が前に出てきて「僕も親に言われてたんです」と、お金目的でいやいや結婚させられそうになったんだと言ってくれて、私の親も向こうの親も「悪かった」と謝ってくれて、

私とツナは両想いで結婚した。



どらまちっく すとーりー

(あなたのことが大好き!)



HAPPY END
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ