性格の悪い悪魔

□開催予告
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君達は知っているんだろうか。
恐れるべきものは精神への攻撃だということ。
肉体へのダメージは確かに苦痛で、されたら嫌なことなのは当然だけれど、恐れるべきはやはり精神面への攻撃。
目に見えず認識され難いそれは、気づかぬ間に相手を攻撃していることもある。
そして精神へ過剰に負担がかかると肉体への傷に変わることさえある、自らの手によってや病気として。
私がこれから予告するのは肉体へのダメージが主になるけど、同時に精神もじりじりと締め上げて負担をかけること。
確実に精神が限界を迎える奴らが出る。

それでも、例え限界が来たとしても、間違っている正義であっても正義を語っている以上、あなた達は私と同じことをしてはいけない。
復讐であっても私がしていることは、人を殺すことは、悪に変わりない。
けど、限界がきて自分が人に殺されるか、自分が人を殺し生き延びるかの究極の選択を迫られたとしたら…答えは決まってる。
結局私と同じ穴の狢だというのを理解し絶望させ、更に憎きあの女の真実を知って精神が崩壊すればいい。


「…冬輪路……」


廊下をあるいていても今日は名前を呟いて嫌そうに見るだけで陰口を言わない。
昨日の噂は本当だって分かり、自分たちの信じてた最強が倒されたから。
さて、そろそろ開催予告をしようか。

クラスに入り一通り主要人物達を確認してから高らかに声をあげた。


『皆さん』

「「「………っ」」」

『私主催のイベントを開催したいと思います』


見事に同じ様な顔の奴ら。
状況が状況なだけにいきなりこんなこといわれたら動揺するのもわからなくはない。
意味が分からないと言いた気な奴は放っておいてそのまま続ける。


『因みに題名はバトルロワイヤル

「「「!!!」」」

「っバトル、ロワイヤル…?」


沢田綱吉が静かに呟いたので私は目を合わせてうん、と答える。
みんなは唖然としたあと、恐怖に顔を歪めるやつと、バトルロワイヤルを知らなくて不思議な顔をするやつに分かれた。


『ルールは私式のだから。ま、至極簡単に言えば殺し合いかな

「殺し、合いって…」


山本武が口を挟んだ。
私は視線を向けて自分の人差し指を自分の口元に持って行き、最後まで聞いて。と殺気を送った。
山本武が黙ると私は咳払いをし、説明を始める。


『場所は移動しません。
開催する場所はこの並盛中学校全体を使い、一定量の食料や武器は此方が用意します。
タイムリミットは明日から3日間。
終了10分前になったらこちらから伝える。

殺し合わないで最後まで全員生き残ってたら私が全員殺す。
因みに並盛中学校から出たりしたら私直々に殺します。
今日1日はフリーだけど学校から出ることはさせません。
夜ご飯抜きで、教室で寝てればいいよ。
他のクラスの奴に言うのも無駄だから。
じゃあまた明日朝8時に来るね、…逃げるなよ。』


逃がさないよう殺気を送り、呆然とする教室を出た私は考え事をしていた。
委員長はまだ無理、とりあえずあの女と三人組が居ればいい。
獄寺隼人に山本武、沢田綱吉さえいれば、後はオマケ。
さて、貴方たちは無事生き延びれるかな。
狂って殺人鬼になる、精神が崩壊して使い物にならなくなる、それとも…精神だけ狂い、表では皮を被り生き延びる?
どれでもいいかな、とりあえず全員は死ななくてもみんな恐怖に苛まれることは間違いないし。あの女の正体を知らせることが出来れば…。

明日までに大量の食料を用意しないと。三日保つほど新しい食料を。
さぁ、どう足掻いてくれる?イベント開催は明日。



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