For ever Love
□孤高の瞳
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平助くんが、血まみれで…
一瞬の出来事で、
思考がついていかなくて…
『ぁ、危ねぇっ!』
その一言が聞こえて
次の瞬間には―
―ブシャァッ
『……が、はっ……』
平助くんは血まみれになっていた
「平…助くん…?」
「は、は…かっこわりぃ…」
平助くんは力なく笑う
「お前のこと…もっと護るつもりだったのに…ドジっちまった…」
「平……」
もう、なにも言えなくて…
† † † † † †
「あの水に…手…出しちまった」
静かに、私の部屋で平助が話し始める
「…はは…。俺さ、あの水飲んでから…怖いんだよ…。自分が、世界が」
平助くんは髪をぐしゃりと握り締める
「今、俺は…黄昏が夜明けに見えて、月が太陽に見える!人の血が…人の血を浴びるのが気持ちいいんだよ!!」
そう言った平助くんの瞳は、孤独な眼をしていた
「狂うのが、怖い。人の血が欲しくなる!俺は俺でなくなるのが怖い!!」
「平助くん…」
そっと、平助くんに触れる
「今でさえ、血が欲しいんだ!きっと、千鶴を傷付ける!俺の傍に居ちゃだめだ!!」
「私の、血をあげる」
「なにを…ッ」
私は腕に小太刀で傷をつける
「私の全ての血を、貴方に。平助くんがそうなったのは私のせいだから」
「…ッ!」
平助くんは欲望のままに血を啜る
「結局、俺はおまえに助けられてる。…おまえが居なきゃ駄目みたいだ…」
「私も、平助くんが居ないと駄目だよ」
―たとえ、世界が崩壊しても
―たとえ、2人が離れ離れになってしまっても
―俺達は、2人で1人だ
―ずっと、ずっと永遠に
(もう、俺は1人じゃない)(ずっと一緒だよ)
(孤独から、解放された…)
†