ここ三年Z組には、とっくに放課のチャイムが鳴り終わっているというのに、約一名教室に残っている生徒がいた。

「……くそ。」

高杉晋助。

今日の日直当番だ。

高杉は日誌に悩まされていたのだ。

「天気は雨…っと。…今日の出来事…。分かんねぇよ。覚えてねぇし。」

しかし、高杉は不良キャラだが、意外と真面目なキャラだったりもする。

「今日の反省…。反省することなんかあったか…?」

ペンを回しながら必死に考えていると、教室のドアが開いた。

「おー。まだ残ってんの?」

坂田銀八。

腐れ教師であり、Z組の担任だ。

「日誌書いてんだよ。」

「えー、そんなん真面目に書いてんの?高杉が?」

プッと吹き出す銀八。

「うるせ。」

すると銀八はまたもやクスクスと笑った。

「どーせ俺、そんなに日誌見ねぇし。」

「は?」

「だって、日誌とか見ても面白くねぇだろ?」

ひょうひょうと答える銀八に呆れ、つられて笑ってしまった。

「高杉、飲む?」

「ん?」

差し出されたのはいちご牛乳。

「んな甘いモン飲まねぇよ。」

「あれ?この前飲んでたよね、いちご牛乳。」

「な、」

見られてたーッッ!

こっそり飲んでたつもりなのに!

俺がいちご牛乳なんざ飲んでたらそれこそお笑い草だ。

「俺もう飲みきれねぇんだわ。」

目の前にある飲みかけのいちご牛乳。

捨てるのは勿体ねぇよな。

「……。」

俺は無言でそれを飲んだ。

「やっぱりいちご牛乳好きなんじゃん。」

にこにこする銀八がやたらムカついた。

空になったパックを銀八に押し付け、日誌も渡した。

「じゃ、俺帰ります。」

荷物をまとめて教室を出ようとすると、手を掴まれた。

「…何だよ?」

「ドコに帰るの?」

「ウチに決まってんだろ。」

すると銀八の目が冷たく光った。

「その…体で?」

「は…?」

その途端、体が熱く脈打った。

ドクンッ。

「ぎ…銀ぱ…」

銀八は妖しく笑うと、楽しそうに言った。

「ゲーム開始だ。」



――――…


「はあッッ、はぁッッ、」

鬱陶しい雨の中を傘もささず走る。

ビチャビチャと跳ねる泥水なんかに構っちゃいられない。

「…ッくそッッ!…はあッッ、」

アイツ…何飲ませやがった…。

ドクンッッ、と体が疼く。

恐らくは

「高杉みーっけ。」


催淫薬。


「…はっ…最悪…。」

銀八はさっきとはまるで別人のように、冷たい。

「…俺のこと…ずっと…はぁ…、んな目で見てたのかよ…。」

「そうだよ?気付かなかった?」

ああ、気付かなかった。

アンタの優しくて柔らかい笑顔を俺は、信じてたよ。

なのに…

なんでたよ。

なんでこんな…。

涙が流れるのに不思議と口が弧を描く。

「…いつものお前ならまだしも…今のお前に…はあッッ、いいようにされるつもりは…ねぇ…ッッ!」

俺は再び逃げ出した。

震える足に鞭を打ち、必死に進む。

しかし、先程よりも体が体温を上げている。

「はぁッッはぁッッ!!」

薬が体に回ってきているようだ。

俺のそこは服を突き上げて射精寸前まで追い込まれていた。

雨で濡れているため分からないがきっと俺自身からも蜜が溢れているのだろう。

「くそッッ!」

下半身にうまく力が入らず思うように動けない。

自分のアパートの前まで来て振り返ると、向こうから傘を差した銀八が歩いてきているのが見えた。

高杉の部屋は二階で階段を上らなければならない。

必死に足を持ち上げ、一歩を踏み出す。

が。

「あッッ!!」

高杉は息を荒くして立ち止まった。

足を上げると、ズボンがそこと擦れるのだ。

「はぁッッ!はぁッッ!はぁッッ!」

向こうに目をやると、さっきよりも近くに銀八の姿があった。

「い…や……だ…!」

俺は足に鞭打ち、再び上り出した。

足を上げる度に擦れるそこ。

疼くカラダ。

足を上げた次の瞬間、俺はイった。

「ああああああッッ!!」

どうすることもできず、俺はその場に座り込んだ。

「はぁはぁはぁッッ!」

苦しくて、気持ち良くて、力が…入らない。

顔を上げると、目の前には銀八が立っていた。

「ゲームセットだよ。」

銀八は俺のポケットから家の鍵を取り出し、鍵を開けた。

そしてドアを開けて俺を乱暴に放り込み、バタンと閉めた。

濡れたままの体が気持ち悪い。

何より、下着の中の粘りが気持ち悪い。

俺の、精液。

しかし、まだ勃ったままのそれ。

銀八はそんな俺を見下ろし、ネクタイを緩めながら言った。

「中、えぐってあげる。」

その途端、ズボンを一気に下ろし、足を広げられた。

そして、一気に挿れられた。

「ひ、あああああッッ!!」

薬に侵された体は快楽に従順で、俺はまたイった。

「そんなに気持ち良かった?」

銀八は冷たく笑って、飛び散った精液を舐めた。

その姿があまりにも艶めかしくて、俺は目を反らした。

しかし、銀八はすぐに動き出した。

ゴリッ、ゴリッ!

中を激しく擦られ、頭の中は快楽でいっぱいになる。

「あッッ!あッッ!ふやあッッ!!」

「可愛いね、高杉。」

一番イイとこを擦られて、またイきそうになる。

しかし、銀八はいきなり自身を抜いて、何かを埋め込んだ。

「うああッッ!?」

「分かる?バイブだよ。暫くそれで我慢してね。俺見たいテレビあったんだわ。」

そう言うと、銀八はネクタイで両手を縛り、鞄からオムツを取り出して俺に付けた。

「部屋、あんまり汚したくないでしょ?」

「ひやあッッ!い、やあ!」

「じゃあ後でね。」

銀八は勝手に隣の部屋でテレビを見始めた。

ヴヴヴヴー…

無機質な音がなり響く。

俺は熱をどうにかしたくて畳にそれを擦りつけた。

ぐりぐりと押し付けてはみるが、オムツのために快感が半減する。

「あッッ、ああッッ!はっ!」

早く、触って。



――――…


「高杉ー?」

テレビを消し、部屋に戻ると、高杉は気を失って壁にもたれかかっていた。

オムツをそっと剥いでやると、特有の臭いが鼻をついた。

べっとりとこびりついた精液に混じって、黄色い液体が染みている。

「おもらし、しちゃったのかな?」

銀八はそのオムツを愛しそうにゆっくりと舐めあげた。

ぐっしょりと体液の染み付いた臭いを時々かぎながらオムツにしゃぶりつく。

銀八の興奮もMAXになり、気を失ったままの高杉に無理矢理挿入した。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ!!」

悲鳴を上げながら高杉は覚醒した。

激しい痛みと快感。

そして、高杉は薄くなった精液をビュビュッッ!と数回撒き散らすと、再び気を失った。

銀八はそれでも高杉をえぐり続けた。

銀八は中にたっぷりと注ぎ込むと、高杉の顔を跨ぎ、自身を高杉の頬や口に擦り付け始めた。

「はぁッッ、はぁッッ、高杉ィ!高杉ィッッ!」

興奮した声と共に、一瞬にして高杉の顔は白く濁った液体で汚れた。



――――…


目が覚めると、俺はベッドの上に寝ていた。

銀八の姿もなく、服も着てているし部屋も綺麗だ。

俺は…夢でも見ていたのだろうか。

時計を見ると、既に夜の8時を回っていた。

きっと、悪い夢を見ただけだろう。

しかし、電気をつけようと立ち上がった時だった。

つー……

股の間を何かが伝うのを感じた。

嫌な感じがして見てみると、それは白く濁った液体だった。

「う…嘘だよな…?」

涙が流れる原因はきっと、この液体のせい。


あの、

担任の、せい。



END.



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