先日、坂田家のもうひとつの秘密を知ってしまった。


なんと総悟様と十四郎様も恋人同士。

なんなんだこの家は…。

しかしこれでハッキリした。


十四郎様は常識人などではない。


この家で常識があるのは唯一退様だけだ。

『こんな変な家ですけど…よろしくお願いしますね。』

と、優しく声をかけてくれたのも退様。

心の支えはあなたと給料だけです…。

実はこの家に来てからもう少しで1ヵ月。

給料を手にする時は近い!!

それを励みに今日も頑張ります。


今は朝の10時。

銀時様と十四郎様は、会社へ出ている。

銀時様は大手食品企業のエリートサラリーマン。

十四郎様といい勝負みたいだ。

退様は朝早くに大学へ出かけた。


総悟様と晋助様は今日は学校がお休み。

今は2人でソファに座ってテレビを見ている。

仲いいんだな。


「なんでお前が休みで銀時が仕事なんだよ。」


「それこっちのセリフ。なんで晋助が休みでトシ兄が仕事なんでィ。」


前言撤回。

あんましよろしくない。


「はー、だりぃ。」

ゴロンと横になる総悟様。


「昨日頑張り過ぎたんじゃねーの?」

「お前に言われたかねーよ。」

「でもよォ、正直受けってキツいよなァ。」

「だな…。体力的に無理っつーか…。ガッツかれんの嫌いじゃねーけど、限界ってのに気づいてほしいよ。」

「あー、分かる。」


やっぱ仲…いいのか?

てか朝っぱらからなんちゅー話してんだ。

俺はリビングの棚の整理を止めて、洗濯物を干しに行った。



――――…


「ただいまー。」

夕日が傾き始め、いち早く帰ってきたのは退様。

「なんだ…。」

「おめェかよ。」

退様の顔を見るなり、がっかりした顔になる2人。

「なんだよその顔…。失礼な。」

可哀想に。

退様は自分の部屋に上がって行った。


するとすぐにまた、玄関で音がした。

「ただいま。」

この声は…

「トシ兄だ!!」

ドタバタと玄関に走って行く総悟様。

なにやら2人の楽しげな話し声が聞こえる。


晋助様を見ると、寂しそうにテレビを見ていた。

「そのうち銀時様も帰って来ますよ。」

そう声をかけてやると、あぁ、と少しだけ驚いた顔をして、すぐに元の表情に戻った。


それから30分もすると、銀時様も帰ってきた。

「たでーま。」

リビングに現れた銀時様に、無言で抱きつく晋助様。

相当寂しかったんだろうな。

銀時様もそれを察してか、何も言わず、優しく抱きしめていた。


きゅんっ。




ん?

何今のは?

動悸?



――――…


いつものように風呂をいれ、洗濯物にアイロンをかけていると、携帯をリビングの棚の上に置きっぱなしにしていることを思い出して、リビングに戻った。

リビングに戻ると、ソファに晋助様が座っており、早々と風呂からあがった銀時様がちょうど歩いてきた。

銀時様は上半身裸で、引き締まった体が目を引く。


「晋助も入ってきな?」


銀時様が晋助様の前に立って言った。


今日は一緒に入らなかったのか。


すると晋助様は、銀時様を引っ張ったかと思うと、軽々と銀時様をソファに押し倒した。


力強いな、晋助様。


そりゃそうか。

晋助様も男だし。

てか押し倒された銀時様もセクシーだな、オイ。


…って、そうじゃなくて!!


結局どうすることもできず、ただ遠くから見ていることにした。


「なに?晋助。」

押し倒されたまま、優しく聞く銀時様。


「犯したい。」


えーーッッ!?

ちょ、ヤバいよそのセリフ!!

ここリビング!!


すると、銀時様はふっと笑った。

「ありがとう。でも…」


ドサッ…。


「俺が晋助を犯したい。」


一瞬で晋助様の上に跨った銀時様。


ちょ、ちょ、ちょ、


鼻血でちゃうよオジサン!!


「銀時…。」


晋助様が目を閉じ、2人の唇が重なろうとした…


が。


「はいはい邪魔邪魔ー。今からトシ兄とDVD観るからあっち行きな。」


十四郎様と腕を組んで現れた総悟様によって、2人の甘い世界は一瞬にして消えた。


「ちょっと総悟君?今晋ちゃんといい雰囲気だったのに何してくれてんの?」

口元をヒクつかせながら文句を言う銀時様。


「知らねーよ。ほら、そこどけ。」


ソファならいっぱいあるのに。

なんて俺様!!


それにせっかくあの2人のラブシーンが見れたのに…。


「てか長谷川さんも、そこで鼻血出しながら何してんの?」


全員の視線を浴び、手を鼻の下にやると、生暖かい液体が指に垂れた。



to be continue...



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