おやこのおはなし

□おひるねごと
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すぅー、すぅー、


おなかにタオルケットを
ふわり、とかけて


タケシはおひるね



顔の横で
やわらかく手を握り

気持ちよさそうな寝息をたてる



「…らいだー…」
「どげんした?」



むにゃむにゃ、寝言


どんな夢を
視ているのだろう



風さんはタケシの
ふくぷくとしたほっぺを


壊れない様に
おそる、懾る突いてみる


なんと小さく柔らかいのだろう

そのタケシが
凄惨で過酷なミッションに耐えているかと思うと


「タケシ…ッ」



思わず目頭が熱くなる



「お前は俺が護るッたい…ッ」



タケシを起こさない様
大きな風さんが小さく呟く


「らいだー…うふふ…」



自分の夢を視て
幸せに笑ってくれている



風はそれに感謝する



出来る事は総てしてやろう
強い漢にしてやろう



愛らしさに
日に日に募るのは親心





おしまい


「きん‥くらいだー…そらをとべー…ムニャムニャ」

「………。」



.

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