東京魔人學園〜詩篇之間

□龍の見る夢
1ページ/2ページ


―龍の見る夢―



陽(ひかり)の龍の
夢を見る。


いつも決まって
懐かしい、あの頃の夢。

僕を見て、
微笑っている君の顔。

君に触れて、
初めて知った自身の熱。

腕の中の温かな体温。

幸せな、幸せな、
まるで夢の様な日々を―

繰り返し、繰り返し、
僕は夢に見続けている―

目が覚めると、
そこが本当の現実で、

僕の傍らに君は居なくて

それは、とても辛くて、
とても寂しいけれど―

君が護りたいと願った、
大切な人々が住むこの街を

僕も、また
護ろうと誓ったから―

この場所で、
独りでも生きているんだ。

本当は、全てを投げ捨てて
君に逢いにゆきたい、と

思う事もあるんだよ。

―そんな事を云えば、
君は、また怒るだろうか?
―それとも、
仕方ないな、という顔で
許してくれるんだろうか?


今夜も、
何処かで鎮魂歌が流れる。

寂しい龍の片割れが、
己の半身を求めて哭いて

眠りにおちて

また、陽(ひかり)の
龍の夢を見る。

繰り返し、繰り返し、
双龍の夢を見続けている―






→解説
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ