外法帖血風録之間

□繰り返す逢瀬のように
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いつからか

それは、まるで
繰り返す逢瀬のように

いつも二人で
同じ景色を見つめていた

共に過ごす事を
約束した訳ではないけれど

当たり前のように

二人、静かに座って
流れ落ちる水を眺めていた

何を話す訳でもなく
何をする訳でもなく

二人、静かに並んで
流れゆく星を見上げていた

当たり前のように

いつまでも二人で
同じ景色を見ていたかった


「龍。」

「うん。」

「………俺は、この国の行く末を見届けたいと思う。」

「うん。」

「この世がどう変わるのか、この目で見届けたいと思う。」

「………うん。」

「もう、お前と一緒に景色を見るのは最後かもしれない。」

「………どうして?」

「…………………………」

「戻って来ないつもりか?」

「………………………」

「そんなの、嫌だからな。」

「龍………」

「俺はお前と見る景色が一番好きだったんだ。」

「…………………………」

「霜葉と一緒に居る時間が好きだったんだ。」

「……俺も、お前とこんな風に共に過ごす時間が心地よかった。」

「霜葉………」

「龍、俺達は再び逢う事が出来るだろうか?また一緒に……」

「うん。また一緒に色々な景色を見よう。二人で見よう。」

「………そうだな。二人で一緒に……いつか、きっと……」

「約束……だぞ。」

「………あぁ、約束しよう。」


いつからか

それは、まるで
繰り返す逢瀬のように

いつも二人で
同じ景色を見つめていた

共に過ごす事を
約束した訳ではないけれど

当たり前のように

二人、静かに座って
流れ落ちる水を眺めていた

何を話す訳でもなく
何をする訳でもなく

二人、静かに並んで
流れゆく星を見上げていた

当たり前のように

いつまでも二人で
同じ景色を見ていたかった

いつまでも

それは、まるで
繰り返す逢瀬のように

いつまでも

二人、静かに佇んで
満開の桜の花を見つめていた

初めて交わした約束は

いつか時代を越えた場所へと
繋がっていく

最後に交わした約束は

いつか時間を越えた場所へと
繋がっていく

いつまでも

それは、まるで
繰り返す逢瀬のように

いつまでも――














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その言葉は血脈に受け継がれ
幕末から現代へ繋がります。

剣風帖の壬生×主へと(笑)





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