「何だよ?こりゃあ?」
机の上に並べられた沢山の菓子類に京一が目を丸くした。
「貰った。」
包装から出した菓子を口に含んでニコニコと笑う龍麻に、京一は不機嫌そうな顔をして見せた。
「誰から?」
「えぇと、色々と皆から。」
「けッ、好物で餌付けしようって魂胆見え見えじゃねェか。」
「餌付け?」
「何でもねェよ。ホラ、買って来たぜ、いちご牛乳。」
「うん。京一、お金……」
「今日は奢ってやるよ。」
「………え?」
「そんなに驚くなよ。」
「何か、企んでる?」
「何にも企んでねェよ!いらねェならいいけど?」
「あ、ごめん。京一ありがと。」
「けッ、嬉しそうな顔してんじゃねェよ。」
満面の笑顔を向ける龍麻を見下ろしながら、京一は照れ臭そうに頭を掻いた。
「あ〜あ、餌付けしてんのは自分の方じゃん。」
「きっと、無意識なのね。」
「葵……?」
「いつ自覚するのかしら……蓬莱寺君。私、心配だわ。」
「そんな心配する葵の方がボクは心配だよ。」
龍麻と京一のやり取りを聞いていた美里と小蒔が顔を揃えて溜息をついた。
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好きな相手に好きなモノをあげるのは基本です(紅月)