東京魔人學園〜陽之間

□優しい気持ち
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静まりかえった住宅街を歩いていると、外の空気に触れたせいか激しい咳き込みに襲われ、龍麻は思わず、電柱に手をかけるとうずくまった。
息つく間もなく続く咳に涙さえにじんでくる。
息苦しさと、京一を本気で怒らせた後悔の念で涙が溢れた。

「…ったく、やっぱ大丈夫じゃねーじゃん。」
聞き覚えのある声がすると、龍麻の背を温かい手がさすっている。
(京一…なんで…)
少し落ち着いて話そうとする龍麻の唇に人指し指を当てると、京一はにいっと笑った。
「なんで来たんだみたいな野暮な質問するなよ。今日は黙って俺に送らせろ。」
そう言うと龍麻の腕を取って歩き出した。
京一の優しさが嬉しくて、龍麻は黙って彼に寄りかかって歩いた。

(…ありがとう 京一…) 完
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