文芸部(ノベル)
□晴れ時計
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♪キーンコーンカーンコーン
「あっ! ほら武巳クン! 早くしないと入学式始まっちゃうよ!」
「・・・(うなだれながら走る武巳)」
―――正しいリズムで刻(とき)をきざむ
銀色の針が胸を刺激する―――
武巳が思ったほど泥はズボンにはねておらず、友人に失笑を買ったくらいで済み、入学式も無事終わった。
クラス分けが張り出され、稜子は武巳を(何となく)探していた。
―――会いたい気持ちをあつめたら
星空も駆けぬける ほらね
そんなフザケタ想像も今日は起こりそうね―――