文芸部(ノベル)

□晴れ時計
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「あっ! 武巳クン!」
 人ごみをかき分けて稜子は武巳のもとに行く。
「今日は、その…ごめんね? 制服大丈夫?」
 武巳のすぐ近くまで来ると、稜子は今朝のことを再度謝った。
「いぃって。そんなに汚れてなかったしさ」
 武巳はそう言って笑った。
「ありがとう。あ。そういえば武巳クンはクラス何だった?」
「俺、B組だった」
「あ。私もだよー。これからまた一年よろしくね! ・・・あ。亜紀ちゃんは何だったかなー」
「ここには、いないみたいだな。あー、そういや陛下も村神もいないな」
 武巳は何となく、いつも一緒にいる文芸部の名前を挙げた。
 しかしその言葉が逆に稜子の心を浮き立たせたのか
「ココにいないってことは部室かも。武巳クン行ってみようよ!」
 と、無理に武巳の手を引っ張って文芸部へと走り出した。

―――まぶしさに目をふせてた夕暮れにかわすテレパシィ
   指先が絡んだら やさしくなれる―――
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