中編短編

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「おぉ!なんだあれはー」

猪突猛進。
そんな言葉がよく似合うくらい彼女は一直線に走った。
先にあるのは何の変哲もないただの木。
それに向かって走ってそのまま彼女はその木にしがみついた。

「おぉ、みどりだ。」

「…それ、木だから。」

常識のない彼女は木も草むらも緑と言う。

「木はみどりなのか?」

「…幹は茶色。」

「幹とはなんだ?」

レッドは手をついて「これ」と言って触れた。
木の上を指して「あれは」と言われて「はっぱ」と答える。

「うわ、なんだお前は!」

枝で葉を食べていたのはキャタピー。

「動いてるぞみどり、はっぱ食べてるぞみどり、レッドレッドあのみどりなんだ?」

「…キャタピー」

「あれもポケモンなのか?」

「うん」

大人しい性格なのか彼女に抱えられても大人しく葉っぱを食べているキャタピーを撫でて、
葉を与える彼女の笑顔を見ていると…





旅に出る前の、あの頃の自分を思い出すんだ。









【あなたの笑顔が、
諦めようとする気持ちを消していく】
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