11/12の日記

19:11
【ss】リボ山side.R-1
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任務で二週間程部屋を空けていた。

ダメツナも今じゃそれなりの人望で守護者は勿論、何百人もの部下から慕われている。

アイツがボスとしてきちんと機能しはじめてから、気を遣ってんのかそれほど多くの任務は回って来なかった。(来たところで一蹴り食らわせるくらいは当然だったが)

そんな中、珍しく頼まれたかと思えば暗殺の仕事。

仕方ねーが行ってやった。

多少時間は掛かったが想定の範囲内だ。

ツナへの報告もそこそこに、俺の足は真っ先に山本の部屋へ向かっていた。

ノックの後暫くして開いたドアの先にあった顔はいつも通りの笑顔を見せていたけど、言うならば、作り笑顔。

理由あっての事だと一人納得して特に詮索もせずに山本の隣を通り過ぎて中へ入った。


「元気だったか?」

貼り付けたような表面上だけの笑みを見たばかりとは思えないような台詞。
我ながら性格が悪いのは百も承知だ。


「ん、…元気だぜ。リボーンは?」

「…ああ、変わりねーぞ。」


俺の心中を知ってか知らずか、いつも通りの緩い表情で返す言葉に小さく鼻を鳴らして笑うと黒い皮張りのソファにどっかりと座る。

忠犬のように後ろを付いて来る山本は俺の向かい合わせに立ってジッと見下ろすと

「…ウソ、俺は淋しかったよ」


なんて言うから。
口角を吊り上げてニヒルな笑みを浮かべその手を引けば、日本人にしては長身な愛しい男を腕の中に閉じ込めた。


「り、リボーン…?」


バランスを崩して胸に顔を突っ伏す山本の額にキスを落として。


「淋しかったんだろ?慰めてやるぞ」


向けられた瞳は決して明るいものでは無く影を落とし、無言で訴え掛けてきた。



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