==山ヒバ(10年後)==



「ヒバリ」
「…」
「ひーばーりーちゃん」
「…死んで」
「はは、ひでーなぁ」





任務に追われて暫くアジトに帰っていなかった。
現場近くのホテルに潜伏していたし、付近は電波状況が悪いらしくなかなか外部と連絡も取れず。

気付けばかれこれ一ヶ月近く雲雀と離れていた。


元はといえば現ボスであるツナからの命令。
昔から親友であるツナの頼み事はなるべく受けてやりたいし、断った事も無い。


だけどこの時ばかりは少々恨めしく思った。



(『山本にしか頼めない』なんて可愛くお願いされちまったしなぁ〜)


漸く仕事を終えて真っ先に雲雀の部屋を訪れ、中には通してくれたものの小一時間ほど冷戦状態が続き、冒頭に戻る。



「…そんな訳でさ、ゴメンな?思ったより時間掛かっちまって」

ヒバリの座るソファの隣を強引に陣取って、今すぐ押し倒したい衝動を抑えて肩に腕を回す。
今オレに出来る精一杯の譲歩だ。

それなのに覗き込んだ顔はずっと外方を向いた儘で、つい溜め息を吐いてしまう。

それが気に障ったのか、ふと鋭い視線を向けられたかと思うと噛み付くように口付けてきた。

「沢田を咬み殺すのは後回しにしようか」
「……へ?」

何故そうなるのか全く理解出来ずに思わず間の抜けた声が出てしまう。

先程までとは打って変わって何か思い付いたように愉しそうな笑みを作る雲雀に肩を押され、ゆっくりとソファに背中を付けた。


「機嫌直してあげるって言ってるんだよ」





end...?





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有難うございます!
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