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体育祭を控え、僕たちはリレーのメンバーを決めることにした。
「はい。
では、部活対抗リレーのメンバーを決めたいと思いまーす!」
なぜか、まあこ♪ちゃんの司会でミーティングは始まった。
「推薦とか立候補とか、ありますかー?」
「やっぱ、草野じゃねぇ?」
黒板に、さらさらっと渡嘉敷が「草野」と書き付ける。
「じゃあ、泉の名前もついでに書いといて」
「オッケー」
「はい、他にありませんかー」
自慢じゃないけど、僕は結構足に自信があるんだけどな。
誰か、僕の名前を言ってくれないかな……
「寿也も、割と足はえーぞ」
わわ、さすが吾郎くん!
僕のこと、分かってる!
「……あら、そーなの?」
でも、ここは一旦――
「やだな、吾郎くん!僕なんか大したことないよ!」
やっぱり、一度くらいは謙遜して、辞退するべきだろう……
「――あ、トカちゃん。
やっぱ寿くんの名前は消して。
大したことないんだって」
「まあこ♪ちゃん!!」
僕としたことが、声が裏返ってたかもしれないけど、ここはちゃんと言っておくべきだ!
「どしたの、寿くん。息が荒いよ」
「大したことないっていうのは謙遜だよ。
はあ、はあ。
ちゃんと書いといてよ、僕の名前」
「なんだもう、ややこしいなー……ブツブツ」
謙遜は、相手を見てすべきだと教えられた。
他にも薬師寺と、吾郎くんがメンバーに加わった。
「さー、あと一人だけど!
誰がいーのかなー?」
僕は部屋をぐるっと見渡した。
一体、誰が適任だろう?
ふと、斜め後ろに座っていた眉村に目が止まった。
眉村って、足速かったかな……?
すると、ばちっと目が合った。
――なんだろう?
推薦してほしいのかな?
「えーと、じゃあね……」
僕は、眉村の表情を読み取ろうとする。
「あ、そこ!眉村ケン!」
まあこ♪ちゃんが突然指名した。
眉村が正面に視線を移す。
小鼻が少し動いているのは、やはり指名を待っていたからなんだろう。
「頑張ろうね、眉村!」
言った僕に、珍しく彼は小さく笑んで頷いて見せた。
なのに――
「えーとね、眉村ケンの後ろ!
三宅だ!三宅がいーと思うな、あたしは」
「あ、俺も賛成!ミヤケ、と。よし、完成!!」
ああ――僕は、もう後ろを振り向くことができなかった。
わきあいあいとしているリレーメンバーを、指をくわえて見る眉村健。
(三宅が変……)
2011-10-05
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