戦国放浪記
□過去への招待 1
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「旅のきこりよ…あなたが落としたのは
この金の‘マサムネ’?それともこの銀の‘マサムネ’…?」
「いやどっちの‘マサムネ’も落としてないです」
泉の精なのか、髪の長いその美少女の手に担がれているのは
金と銀それぞれの眩しさが鬱陶しい‘マサムネ’と呼ばれる青年
気絶しているのか、完全に意識はなさそうだ
「ってかその人大丈夫なんですか?
…死んでません?その‘マサムネ’さん」
「貴方は正直なきこりね…」
「私の話無視ですか
そもそも私、きこりでも何でもないんですけど」
何故か俯きながら
ごめんなさいと呟く泉の精っぽい少女
私何も言ってないよね?
……なんて自虐的な人?
「貴方は正直だから…特別に夢の世界に連れていってあげる…
恨むなら、私を恨んでね…?」
「いやここ既に夢の中だし!!
ちょっと聞いてる!?ちょっとォオオ!!」
そんなに嫌なら連れてくなァァア!!
そう突っ込んで私は
泉の精っぽい少女が召喚した、黒い手によって泉に引きずりこまれた
「私…どうなるんですか」
最後にそう呟いて、私は意識を手放した