頂き物小説

□英語:政親ギャグ甘 ※頂き物ですがBL表現有り、ご注意ください。
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「うああ〜っ、もうダメだ!」


元親は持っていた鉛筆を放り投げ、どさっと盛大に机に突っ伏する。
机の上のプリントが腕に押し流されてヒラヒラと床の上に落ちていった。
それを気にせずそのまま両腕に顔をうずめてウンウン呻いていると、いきなり上から声が降ってきた。


「何がダメなんだ?」

「!」


はっとして顔をあげると、すぐ目の前に笑みを浮かべた政宗の顔があった。
本当にすぐ目の前、息もかかりそうなほどの距離である。


「Good morning,My darling♪」

「ちょっ……ち、近……」

「An?チカはあんただろ?」

「へ?……あっ、いや、そうだけどそうじゃなくってよ?」


あまりの近さにしどろもどろになりつつも、すぐさま体を起こして距離を取る。
政宗は少しつまらなさそうな表情を浮かべた。


「――で、何がダメなんだ?」

「え?……あ、ああ、それがよぅ、さっきオクラから英語のプリント渡されて――」

「渡されて?」

「――んまあ簡単に言うと、今までロクに授業受けてなかったからこれ明日までにやって出さねぇと留年させんぞって言われちまったんだよ」

「Ha-n……日頃のツケが回ってきたってわけか」


政宗は納得した様子でうんうんうなずいた後、床に落ちていたプリントを一枚手に取るとじっとそれを見つめ始めた。


「……Hun、こんくらいなら俺でも解けるし、手伝ってやろうか?」

「えっ!?」


政宗は英語の成績は優秀だが元親とは学年が違ったので頼るのを諦めていた。が、予想外にも彼はこれが解けると言って見せた。
そのことに思わずリアクションが大きくなってしまう。


「ま、マジでこれ……できんのか?」

「An?嘘なんか言ってどうするよ?」

「そ、それもそうだけどよぅ……」

「いいのか?手伝わなくても。それなら俺ぁ帰るぜ」

「え?……や、待てって!」


しゃがんでいた体制から立ち上がり帰ろうと歩き出した政宗の腕を思わずガシッつかむ。


「A-han?何か?」

「や、その……手伝ってもいいってんならぜひ、……お願いしたいなー……ってよ?」


座っている元親と立っている政宗では、高い位置にある政宗の顔をどうしても見上げる形になってしまう。
今までにも何回かこういう場面はあったが、いつになっても可愛ものは可愛い。

政宗は自分のナニが少し硬くなるのがわかった。


「あれ、まさむね?」

「そういうcuteなところがたまらないんだ」

「へ?き、きゅー……なんだって?」


政宗は隣の机からイスを取ると、元親の横につけた。


「さて、それじゃあ取りかかるか」

「ほ、ホントにいいのか?」

「……自分でも頼んどいてなんだよ」

「や、だってよぅ……」


元親は少し俯きがちになって言う。


「他のみんなは帰っちまってるし、俺につき合わせんのも悪ぃかなーってよぅ」


そう言いながら政宗を見る元親はまたも上目遣いで、政宗のナニはさらに固さを増した。

アンタはホントにかわいいな。

政宗は元親に身を寄せながら言う。


「なにwater臭いこと言ってんだよ……俺らの中だろ?」

「は?お、おおたぁ?……っつーか何してんだよ」

「A-n……?」


そう言う政宗の手は元親の太ももへと伸ばされ、熱心にそこを撫でまわしている。
政宗の目はエロスの視線を元親に送っていた。


「あ、あーんじゃねぇよっ」


元親は少し動揺しながらも足を引いて政宗の手から逃がれる。
そしてキッと政宗を睨んだ。


「んなこたぁしねぇでいいんだ!教えてやるってんならさっさと教えやがれっ」

「……はいはい」


……怒った元親もかわいいが後が大変なので素直に従うことにする。

政宗は乗り出していた手と体を名残惜しそうに引くと、一つ大きく息を吐いた。
そうして気分を切り替え、やる気モードをONにしたらしい。
キビキビとした動きで自分の足元に落ちていた残りの2枚のプリントを拾うと、持っていたプリントと合わせて机の上に広げた。
そしてキリッとした顔つきで元親の方を振り向く。

元親はその豹変ぶりにただただ唖然としていた。


「それじゃあとりあえず、アンタはどこら辺までなら自力でできるんだ?」

「へっ?あ、えーっと……こ、ここら辺?」

「A-n、どれ……――は?」


政宗が変な声を出してしまうのも無理はない。
元親が半笑いで指さしたプリントの場所は『小学校の振り返り』。
確かに、よく見ればプリントに答えが記入されているのはそこの範囲だけである。
さっきまで頑張った結果がこれなのだろう。が、その中にはどう見ても間違っているものが多く、それ以前に5、6問しか解いていない。

瞬時に政宗の脳裏を様々なことが駆け巡る。


元親は高校生だ。
なのに小学生の範囲までしか分からないのか。
そもそもここは高校である。
そこで出されるプリントに小学校の範囲を出してくることなどあるのか。


政宗は頭を押さえた。


「……It's crazy」
        
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