めいん

□永い月日を経て
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雪が降る寒い夜は必ず見る夢がある。毎日毎日、同じ夢を見る。



『雪が降ってきた…お前の髪と同じ色だな…』

黒い服を着た男が夢の中のオレに向かって言う。オレは少し拗ねたように

『どうせ真っ白だよ!!悪かったな!!』

『クスクス…違ぇよ…白銀で綺麗だっつってんだよ…』

『なっ…恥ずかしいこといってんじゃねぇ!!』

『クスクス…悪かった…』

そういって優しく頭を撫でてくれる。オレはそれが大好きだった。
その時、大きな爆破音が聞こえる。

『新撰組副長土方十四郎!!我らがその命、頂戴する!!』

叫び声が聞こえたと思えばオレたちは20人ほどの男たちに囲まれる。オレは木刀を、黒い服の男は刀を抜き、男たちを倒していく。
残りが3人ほどになった時、オレは物陰に隠れていた男に背中を斬られそうになった。

『銀時!!』

オレが振り向くと同時に頬に生暖かい感触が広がった。それが何か確かめれば、真っ赤な血だった。はっと顔を上げれば黒い服の男がオレを庇って斬られていた。

『ト…シ…?』

ゆっくりと体が倒れる。オレは咄嗟にその体を支え、雪が積もっている地面に寝かす。湧き上がる怒りや悲しみ、苦しみが入り混じり、自分でもコントロール出来なくなっていた。その気持ちをぶつけるように、その場に残っていた男たちを切り倒した。




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