めいん
□来年も一緒に
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「あと1時間で今年も終わりか…1年って早いなー…」
除夜の鐘が鳴り響く中、銀八のアパートのこたつに入りながらしみじみと言った。
「先生、オッサンくさいです。」
その横で悲劇的なツッコミを浴びせるのは銀魂高校3年の土方。この二人は男同士にも関わらず、清いお付き合いとやらをしている。
「酷い!!オレまだ20代だから!!」
「はいはい。紅白見ましょうよ。」
軽くスルーし、テレビの電源を入れる。
「土方君…なんか冷たい…」
こたつの板に頬を付けながらいじけたように呟く。これではどちらが年上なのか分からない。
「お年玉くれるならもっと構ってあげますよ。」
「おまっ薄月給の教師からふんだくる気か!?」
「ははっ冗談ですよ。」
銀八の家に来て初めての笑顔。笑顔一つで絆されてしまう自分はなんてお手軽なんだろうと思いながらこたつの布団で顔を隠す。
「先生?カウントダウン始まりますよ?」
まだ1時間もあると思っていたが、いつの間にか残り数秒になってしまったようだ。
銀八は慌てて土方の隣に移動し、テレビに映るアナウンサーの声に耳を傾ける。
『今年も残り数秒となりました。カウントダウンを開始します。5、4、3、2、1、明けましておめでとうどざいます!!2010年の幕上げです!!』
うるさい位盛り上がっているテレビに対し、銀八の部屋は静まり返っていた。
年が明ける瞬間、土方にキスをしたからだ。ちゅっと音を立てて唇を離し、優しく微笑みかける。
「明けましておめでとう…十四郎…」
しばらくぼうっと間近にある銀八の顔を見ていた土方だったが、何が起こったのか理解すれば耳まで真っ赤にして勢いよく銀八から離れた。
「おぉおぉお!?!?」
いきなりの、予想外の展開に思わず大きな声が出てしまった。
「な、なななな何すんだ!!!!///」
顔を真っ赤にさせながら叫ぶ土方。
その問いにキョトンとしながら、当然のように答える。
「何ってキスした。」
『キス』という言葉を口にすれば、ますます赤くなる土方の顔。その反応が初々しく、可愛らしいもので、ついちょっかいを出してしまう。
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