めいん その他

□オレたちは確かに
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オレたちは昔、確かに手を取り合った。

まだオレが小さなころに握った君の手は、とても暖かく、大きな手だった…







オレが小さなころは君がすべてだった。君が教えてくれる世界がオレの中での「すべて」だった。君がオレのすべてだった…

いつからだろうか。君以外の世界を知りたくなったのは…
いつからだろうか。君から離れて自分の力で生きていこうと思い始めたのは…

君と一緒にいたい。君と共に生きたい。でもそれでは駄目なんだ。

オレの中の何かがそう叫ぶ。

「キミトイッショ二イキテイキタイ。デモ、ソウシタラオレハ、キットダメニナル。」

君以外の世界を知りたい。君を世界の「悪」から守りたい。でも今のオレにはそんな力なんてない。君を守れるだけの力が存在しない。
だからオレは君から離れた。君を傷付けながら…君を守ろうと思い、独立したのに、結果的に君をたくさん傷付けた。
ただ、君を守ろうと思っただけなのに…
ただ、オレは君のためを思ってしただけなのに…


君から独立した後、オレはたくさんのことを知った。
オレが生まれ、まだ君と一緒になる前、たくさんの国がオレを占領しようとしたこと。
もし他の国に占領されていたらとてもヒドイ扱いをうけたかもしれないこと。
君がオレのことを守っていてくれたこと。

失って初めてわかった。
今まで、どんなに君に守られていたかということを。
君がとても優しかったということを。


オレは今まで君に愛されていたことを…


オレは失ってから初めてわかった…












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