めいん その他
□いつまでも僕の傍に
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9月9日。オレの大好きな人の誕生日。付き合ってから初めて迎える彼の誕生日。出来ればいつまでも覚えていて欲しくて、オレは彼のためにケーキを作った。甘さ控えめのケーキを。ちょっと見た目が悪いけど母さんと一緒に何日も前から練習してきた。初めよりはまともになった…はず。今日学校が終わったらケーキとプレゼントを持って彼の家に行く。喜んでもらえるかな…
学校が終わり、いつものように彼に家まで送ってもらう。後で家に行くことを伝えれば、
「十代目!オレ待ってますね!!」
と、満面の笑みを向けてくれた。彼が帰った後、急いで着替えてケーキとプレゼントを用意する。
喜んでくれたらいいな…
そんなことを考えながら彼の家に向かう。ドキドキと鳴る心臓を、深呼吸で落ち着かせながらインターホンを鳴らす。中でドタドタと音がすると思えばすぐに玄関が開いた。
「いらっしゃい、十代目!!」
大好きな彼が、大好きな笑みを浮かべてオレを迎えてくれる。
「ご、獄寺君…誕生日おめでとう!!」
目を瞑りながらケーキとプレゼントを差し出す。しかし彼の反応がない。
迷惑だったかも…そんな嫌な言葉が心を過ぎる。そっと目を開けて彼を見る。
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