恋姫†無双
□降り立った場所、そこは…
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『んぅ‥……。』
来栖は眠っていた。
見知らぬ山の中で…。
だが、そんな来栖の安眠を妨げる三人の男達‥…もとい、山賊が寝ている来栖に近づく。
「おい!起きろ。」
『んぅ‥…あと30時間60分』
「31時間じゃねーか!」
三人の山賊中のヒゲを生やしたオッサン(以後ヒゲ)が来栖を起こそうとしたが来栖は起きず、放った寝言をちっちゃいオッサン(以後チビ)が思わず突っ込んだ。
「アニキが起きろっつってんだ、さっさと起きろ!」
チビが言葉を放ち終わると同時に、来栖に蹴りを入れた。
『ったぁ!?』
当然、すやすやと寝ていた来栖には当然避けられるはずは無かった。
「やっと、起きやがったか。まぁいい、さっさと身ぐるみ全部置いてきな。」
「お‥置いてくんだな。」
そんな来栖をお構いなしに話しを進めるヒゲとやっと喋った、喋り方が気持ち悪い太った男(以後デブ)。
『えっと‥……???』
案の定来栖は話しに着いていけず、頭の上に?を沢山浮かべている。
「いいから身ぐるみ全部置いてけっつってんだよ!!」
何時まで起っても何もしない来栖に、ついに痺れを切らしたチビが剣を抜いた。
『‥…なっ!?』
そんなことで驚く来栖では無かったのだが、その剣に付いている既に渇いて赤黒くなった血を見て驚いていたのだ。
「ヒヒヒッ!死にたく無かったら、さっさと身ぐるみ置いていくんだな!」
来栖が驚いたのをどう捉えたのかは解らないがチビは驚いたを見て調子に乗っていた。
そんなチビを見兼ねたのか、来栖は自身が纏う空気の全てを殺気ヘと変換させた。
来栖の殺気が場を支配する‥…。
『おい‥…。』
「は、はい!!!」
さっきまで調子に乗っていたチビは、来栖の殺気に当てられ完全に腰を抜かしたようだ。
『その剣で‥罪無き人を何人危めた‥…?』
「わ、私はまだなったばかりなのでそんなに殺してはいません!」
来栖は静かにかつ威厳のある言い方でチビに質問をする。
チビも自分では気付かないうちに来栖に敬語を使っていた。
『そんなこと等聞いていない…!何人危めた、と聞いているのだ。』
「5、6人です!」
『そうか…。』
来栖は腰に付けていた剣、白龍を抜いた。
「い、命だけは…!」
『誰が、殺すと言った。お前ら全員、剣を上に向けて一列に並べろ。』
「はぁ…。」
ヒゲ、チビ、デブは指示通りに剣を上に向け並べた。
『はっ!』
三人が並び終えたのを確認したは人の眼では捕らえ切ることの出来ない程の速さで剣を横へ一閃した。
「「‥…………。」」
三人は何が起こったのか解らず、ただただ各自の剣を眺めていた。
すると、切っ先が音を立てて落ちた。
「「へっ…?」」
『もう良い、失せろ。』
来栖がそういった頃にはもう三人の姿は無かった。
『逃げ足が早いとはこのような事を言うのだろうな』
そう言うと来栖は山を降りながら考えに老け込んだ。
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