SSS

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骸雲/切死/どうして雲雀side









「骸、僕はそろそろ行くよ…」
「…は、い……っ、きょう、」

歩みだそうと踏み出した、その手を骸に掴まれる

「なに?」
「あっ、すみません」

「変な顔…君らしくないね」
「……、」

僕は骸に向き返り、掴まれていない方の手で頬に触れる


どうして、骸が泣きそうな顔してるのさ?

普段みたいに皮肉言うんじゃないの?

「いつもの得意気な顔はどうしたのさ」
「恭弥だって、泣きそうな顔してます」

そんなわけ無いだろ
僕はそんなに弱くない

「なに、言ってるのさ…僕は、泣かないッ」


骸から顔を逸らそうとすると、頬にあてていた手を掴まれ、引き寄せられる


「恭弥、」

駄目だ…離れなきゃ…

「骸…離して」
「嫌、です」
「お願い、離れられなくなる…」
「…ッ、それは、どういう…」
「…分からない」

骸に抱き締められると安心するんだ
ずっとこうしていたいなんて思ってしまう

でも、その気持ちがなんなのかは僕には分からない


嘘だ…分かってる
でもまだ言えない、言ってしまったら僕は…


そんな事を考えてる間に骸は僕の背に回していた手を解く


「恭弥、僕…」
「駄目、まだその続きは聞かない」

僕は骸を見ていることが出来なくて、背を向けて話す

「骸…」
「はい、」
「僕は…大丈夫だから」

僕は帰れない…そんな気がする
だから、骸の未来を僕で縛る事はできない
骸にはちゃんと幸せになって欲しい

ごめん、やっぱりそんな風に思えるほど僕は大人じゃない

「だから、さっきの話は帰ってきてから聞かせて、僕も帰ってきたら骸に話、あるから」

もしかしたら…もしかして帰ってこれたら、その時は伝えさせて


「分かりました、絶対ですよ」

「うん、じゃあね…」

諦めきれなくてごめん


僕の声は多分、震えてた

それでも信じたかった

君は必ず帰ってくると



「死ね、雲雀恭弥」
「うっ、」


世界が揺らぐ
視界が霞む
真っ直ぐ立っていられない


あぁ、僕は死ぬのか

「むくろ…」

ごめん、やっぱり帰れそうにないな
覚悟してたはずなのに今更、死が“怖い”なんて


骸に逢いたい

今じゃもう無理だけど

伝えたかった


たった5文字の言葉


「愛してるよ…」



ごめん
(やっと言えたのに君には伝えられなくて)



――――――――――
久しぶりなのに意味不な駄作ですね
すみません



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