SSS
□SSS
3ページ/10ページ
風雲/甘
とたとたとた
廊下から小さな足音が近付いてくる
こんな夜更けに、私の部屋にくるのはあの子しかいないでしょうね
バタン…
「ふぉん…」
「どうしたんですか、恭弥?」
「いっしょ、ねていい?」
「どうぞ」
ぽんぽんと自分の隣を叩けば、彼はとてとてと歩いて、私の隣にちょこん、と座る
彼―…雲雀恭弥
親戚の子供で、仕事から帰ってくるまで私が預かる事になった少年
初めこそは、警戒心が強くて、懐いてくれなかったが、今では、自分から僕に抱き付いてくるぐらいに懐いてくれた
「ふぉん…ぎゅってして」
「?…怖い夢でも見たのですか?」
「…………」
ぎゅっ、と抱き付いてくる恭弥を抱き締め返して、そう問うと恭弥は何も答えずに押し黙る
これは、言いたい事があっても言えない時の恭弥の癖
こう言う時は、何を聞いても絶対に答えようとしないので、恭弥が自分から話しだすまで頭を撫でながら待つ
「…ふぉんは、きょうとずっといっしょ、だよね…?」
やっと、口を開いた恭弥だが
文法がおかしい…
恐らく、私が居ない夢でも見たのでしょう
「私が恭弥の前から居なくなる夢でも見たのですか?」
ビクッ
「……うっ、…」
肩が大袈裟に揺れる
それは肯定と捕えてほぼ間違いない
「…ふぉんがね、きょうを…おいていっちゃう、ゆめ…」
「きょうね…まって!ってッ、ずっと、いってるのに…ふぉんはどんどん、とおくにいって、きえちゃったの…」
それは“消えないで”と言う様に
ぎゅうっ、と恭弥の抱き付いてくる力が強くなる
「恭弥、」
出来るだけ優しく名前を呼び、顔を恐る恐る上げた恭弥に微笑む
「私は恭弥を置いて消えたりしませんよ」
「ほんと、?」
「はい、何があっても恭弥を1人にしません」
「ふぉん、きょうとずっといっしょ?」
「はい、ずっと一緒です」
「…ふぇっ、うわぁぁぁあん!!」
「えっ、恭弥!?」
不安が解けて安心したのか、わんわんと
泣き出してしまった恭弥に、風は一瞬驚いたが、直ぐにいつもの優しい微笑みに戻り、頭を優しく撫でる
しばらく泣いて、落ち着いた恭弥を抱き締めたまま、電気を消して共にベッドに横になる
「…ふぉん、」
「んっ、何ですか?」
「だいすき…」
「ふふっ、私もです」
そう言って、恭弥は風の腕の中で
眠りについた
━━━━━━━━━━━━━━━
初、風雲(*´∀`*)
風×仔雲、大好きです
ちなみに、これ一人称と敬語ちょっと
変えたら、骸n)殴