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□桜、咲く
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あれから、10年
僕は成長して、風紀財団の委員長として、忙しい毎日を送っている




「恭さん、書類に印鑑お願いします!」
「面倒だから、君やっといてよ」
「え゙?」


カチャ
「何?僕に刃向かうの?」


雲雀はトンファ−を取り出し、草壁に向ける

「い、いえ;;」
「じゃあ、やりなよ」
「わ、分かりました;;」


雲雀が睨むと、草壁は早々に部屋を出た



雲雀は、草壁が部屋を出たのを確認すると
ため息を吐いた




骸、まだなのかい…


そう思う時は、必ずあの場所へと足が向かう


骸と約束した木の下へ座り、膝を抱える




「おや、先客がいましたか…」


声がしたので、顔を上げると10歳程の子供が立っていた


パイナップルのような独特の髪型、瞳は赤と青のオッドアイ…その姿はまるで骸そっくり



「えっ?」
「ここの桜、綺麗ですよね!」
「……僕は、桜は嫌いだよ」
「え〜!!こんなに綺麗なのに…」


少年は、桜を見てクフフ♪と笑う
笑い方まで骸と同じ…

「そう…」


少年は、不思議そうな顔をすると、雲雀の横に立っている桜に触れ、懐かしそうに微笑む



「この木の下で、昔、大事な人と約束したんですよ」
「えっ……」
「僕は、昔、体が弱くて…死ぬ前にこの木の下で、大好きな人と約束をしたんです」

「「輪廻を巡って、必ず会いに来ます」」


雲雀と少年の声が重なる


少年は驚いたような表情するが直ぐに、ニコっと笑う



「……ッ骸…なのかい?」
「はい、雲雀君」


久しぶりに聞く、僕を呼ぶ君の声
君の声を聞いただけで

涙が止まらない


「遅くなってすいません、10年も経ってしまいました」

少年、骸は、自分より一回り大きい雲雀を抱き締める


「バカッ、遅い、よ///」

そう言いながらも、昔のように骸の背に手を回す


「雲雀君、会いたかったです」
「僕だ、ってッ、ずっとッ、待って…たんだ、よ」


骸は、腕の中で泣きじゃくる僕の頭を優しく撫でてくれた


「でも、これでまた雲雀君の側に居られますね」
「もう、どこ、にも…行かないでッ!」
「勿論です」




桜、
(やっと会えましたね)


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