short
□Lost story
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ｽﾍﾟｱﾗ/切
ボンゴレファミリ‐初代霧の守護者､Ｄスペ‐ド
彼についての記録はほとんど残っていない
唯一､皆の話に聞くのは彼がボンゴレ史上最悪の裏切り者だったという事のみ
バタンッ
ボンゴレファミリ‐初代ボス､ジョットの執務室のドアを勢い良く開く
「久しぶりだな､アラウディ」
「アイツは何処？」
執務用の椅子に腰掛けて､微笑むジョットの前に立ち､焦ったように質問を投げ掛ける
「急な質問だな…」
「関係ないよ､それより僕の質問に答えて」
「知らないな」
「とぼけるな！！」
アラウディはジョットの胸ぐらを掴み､鋭い眼光で睨みつける
その瞳をものともせず､ジョットはアラウディを見返す
「アイツが夢に出てきた…一方的に別れて､て言われた」
「そうか…」
「ねぇジョット､君何か知ってるんでしょ？」
手を組み背もたれに持たれて溜め息を吐く
「隠しても仕方ない､落ち着いて聞け､アラウディ…」
「なに？」
「スペ‐ドは裏切り者だ…」
「はっ､なに？」
「それぐらい､お前なら分かるだろう」
「嘘だ､アイツは…スペ‐ドはそんなわけ無い…」
「真実だ」
目を見開いて嘘､と繰り返すアラウディに更に残酷な言葉を発する
「…そんな」
「何処へ行く？」
踵を返してドアへ向かうアラウディを呼び止める
「分かってるんだろ」
「いくらお前でも無謀だ」
「それでも､行かないと気が済まない」
「待て､アラウディ！！」
ジョットの声を無視して部屋を飛び指す
スペ‐ド､どういうこと
君は今､何を考えてるの？
Lost story