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□darling ergo…
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寒い空気が張り詰めた、
1月の昼下がり…


日曜日だというのに並中の応接室には人影があった。



「…ふぅ」


ギシ、と音を立てて背もたれに体を預けたのは――



並盛中の風紀委員長でありながら、最も恐るべき不良、雲雀 恭弥。


山積みの仕事は、この部屋を訪れ数時間経った今でも、ほとんど量は変わらず。


雲雀は寒い応接室で一人、溜め息をついた。



「――雲雀 恭弥」


突然響いた声に目を丸くし、声の主を見付けるやいなや目を細め、呆れ顔をする雲雀。


「…一体何の用?南国果実」

「クフフ…強がらなくてもいいんですよ?」



『六』の文字が浮かぶ右目だけを細め、雲雀の手を取る来訪者――六道 骸。


「…どういう意味?」

「僕がいなくて淋しかったn…クハッ!」


骸の鳩尾に綺麗な右ストレートが決まった。


「寝ぼけないでよ」

冷たく言い放ち、骸の侵入してきた窓を閉める。


「寒いのなら僕が温めてあげますよ!」

効果音が聞こえてきそうな程、勢いよく両腕を広げ、「さあ!」と笑顔で言う骸。


そんな骸に見向きもせず、
「暇なら紅茶いれて」
と言ってソファに座ると
仕事を再開し始める雲雀。

「こうなったら紅茶に媚やK」
「やめろ」


渋々紅茶をいれに行く骸の後ろ姿を見て、雲雀は分かるか分からないかの微笑みを浮かべた――。



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