◇リボーン◇

□雲雀恭弥編
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最初から、わけの分からない奴だった。

強いんだか弱いんだかはっきりしなくて。
オマケに僕の嫌いな草食動物で。
群れてて。


なのに。


『恭さん、ボンゴレ十代目が…!』

“計画”を知っているのに、どうして僕の心はこんなにも掻き乱される?

ムカつくんだよ。
君なんて大嫌いだ。























雲雀恭弥編
























繰り返し繰り返し、僕は思い出す。


『雲雀さん、お願いがあるんです。貴方にしか頼めないことなんです。聞いてくれますか?』

僕が決してノーとは言わない条件を突き付けて、君は僕を共犯に仕立てあげる。

君って実は狡猾だよね。
そして残酷だ。


『いいの?あの駄犬にも今回のこと教えなくて』

“計画”を聞いてそう尋ねた僕に、君は笑って答えた。

『雲雀さん、俺がどうして守護者の中で唯一人貴方をえらんだのか分かりますか?』
『…分からないから聞いてるんだけど。噛み殺すよ?』

昔は直ぐに縮み上がっていたのに、今はただ笑うだけ。
まるで造りものみたいだ。
それが酷く気に入らない。


『雲雀さんは、他の皆と違って間違っても俺のためとか俺と一緒にとか…そうやって死んだりしないでしょう?』

だから貴方をえらんだんです、となんの悪びれもなく言い切る君を憎らしく思う。
人の気持ちなんて知りもしないで。
君が死んでも平気だなんて、誰が言った?


『まぁ、どうでもいいよ。僕は僕で勝手にさせてもらう』

居心地が悪くなって、そのまま部屋を退出した。
そんな僕を、造りものじゃない本物の笑顔で見送る君。
僕は繰り返し繰り返し、その笑顔を思い出す。

超直感を持つ君でさえ知らなかっただろう?僕の気持ちなんて。
それとも君は知ってて利用したっていうの。
だとしたら君はこの世の誰よりも狡猾だ。

そして誰よりも君は気高く傲慢で、人を惹きつけてやまない。

そんな君に惹かれた僕たちは、最初から負けていたんだ。







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