◇リボーン◇

□謀略と策士(前編)
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『十代目、ご存知ですか?この近くに新しくテーマパークができたんスよ』

綱吉の沈んだ気持ちを浮上させるかの様に、獄寺は至極明るく続ける。

『昔行ったマフィアランドとは違いますよ。もっと大規模らしいっス。なにせボンゴレランド!ですからねっ』
『そうなんだ…』
『で、俺チケット貰ったんです。これ一枚で10人までオッケーなんですよ!十代目、行きませんか?』

にこにこ笑って遊びに誘う獄寺に、嫌だとは言えなかった。

『うん、行こうかな』
『決まりですね!』

では早速予定をたてましょう!と、そのテーマパークのパンフレットを引っ張り出し、あれこれと提案する獄寺の言葉を綱吉はただ笑って聞くことしかできなかった。

……テラスから見える中庭に、あの人のきらきら光る金髪が見えた気がした。












*******

当日、自宅の前になんじゃこりゃ!?とツッコミたくなるような、車に詳しくない綱吉にもわかる高級車がとまっていた。

(…当然、俺の迎えだよな)

迎えにくるなら普通の車できて!と言っておけばよかったと後悔するが、後の祭りだ。

仕方なくその車に寄っていくと、見知った気配。
綱吉は車から恭しくでてきた運転手に、ため息まじりに問いかけた。

『なにやってんだよ、骸』

途端、その運転手の瞳がかわる。
骸だけの、色違いの瞳に。

『おや、もうバレてしまいましたか。これはつまらない』
『つまらないっておまえ…。ていうか、なにやってんだよ』
『見てわかりませんか?君の迎えですよ。ボンゴレランドに行くのでしょう』
『え?』

なんで知ってるのだろう、と瞬きをしていると骸はくすりと笑って答えた。

『僕も獄寺隼人に誘われましたから。さ、乗ってください』

綱吉は言われるがまま車へと乗り込んだ。
しかし、頭の中は疑問符であふれている。

(獄寺くんが誘った?骸を?)

信じられない話だ。
そしてもっと信じられないのは、その誘いに骸がのったことだ。

基本的に、綱吉の守護者たちは仲が悪い。
だから一緒にどこかに遊びに行ったことさえないのだ。
なのにどうして突然?と、疑問は尽きない。

(どんな心境の変化だよ…)

だが、それを敢えて聞く気にはなれなかった。









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