◇リボーン◇

□最凶無敵の俺の守護者
2ページ/5ページ


『“なにか”どころの騒ぎじゃねーよ。あいつら、一体どんだけ器物損壊しまくってると思う?俺様はかなり迷惑被ってんだよ』
『え、そんなに?始末書はあんまりまわってきてないけど…』
『だろーな。あいつら金ばっかり持ってるからな、大体揉み消してる』
『………。』

あれ、なんか今物騒な言葉聞こえた。

(揉み消してるってなに…!)

今までそれこそ好き放題やりまくってきて、今更誰かからの評価を気にするタイプじゃないのになぁ、と遠い意識の中で思う。
だが実際はただ単に綱吉に嫌われたくないがゆえに(更に言うなら綱吉争奪戦の延長で器物損壊にいたっている)、金であれこれ揉み消しているという結論にはどうしても至らないのが綱吉が綱吉たる所以である。
そもそも、激ニブの綱吉には遠回しな戦法は通用しないのだ。
リボーン的にはちょっとは学べ!と思わなくもないが、一々つっこんでやるのも面倒だしライバルは蹴落とすにかぎる。

『そんなわけだツナ。あいつらにはうってつけの仕事だ。きびきび働けよ』
『あの二人にうってつけなわけないじゃん!!』

そんなものがあったら、とっくの昔にやらせてるよ!と心の底から思った。
しかし無情にもリボーンは早々に立ち去るし、“悪夢の日”は明後日に迫っている。最悪すぎる。

『やっぱ神様なんていねーや…』

惰性で受話器に手をのばし、獄寺を呼び出して事の顛末を説明すれば物凄く微妙な顔をされた。
そうだよなぁ、あの二人が揃ったってろくなことにならないもんなぁ!と涙目で机に突っ伏した綱吉は、自分が少しズレているとはついぞ気がつけないのだった。







嫌なことほどすぐにおとずれるもので、明後日はあっという間にやってきた。
獄寺に見送られて屋敷から出れば…。

『なんなんですかなんでよりにもよってあなたがいるんですか。ぼ、く、が!綱吉くんに呼ばれたのに空気よめないんですか?』
『寝言は寝て言ったら。綱吉が呼んだのは僕だから。空気をよんで消えるのは君でしょ。むしろ消えろ!』

嫌な金属音が鳴り響く中、綱吉は今すぐ回れ右して帰りたい衝動にかられた。











.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ