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□第一章
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「マリー」
「あ…」
昼休み。教室で4限目の授業を終えてクラスの女生徒達とやっと訪れた少し長めの休憩時間に小話をするマリーを見つけたアレルヤが、教室の入り口から声をかけると、その優しい声音に気付いてマリーは振り返った。
しかしここは新入生ばかりの階。そしてそこに突如として現れた上級生の姿に驚きざわめくクラスにマリーは少し気恥ずかしく思いながらも、アレルヤと共に廊下に出た。
「あ、ごめんねマリー…やっぱり教室に来るのは……マズかったかな」
「いいえ、そんな事ありませんよ?…アレルヤ先輩」
「そう…かい?なら、良かった」
「……それに…こうして友達や姉以外の人が迎えに来てくれるのって…むしろ嬉しいです」
「……っえ?」
アレルヤの顔が一気に赤面してしまう。マリーに姉がいると言う事も初めて聞いたが…
それ以上に“友達”以外…と言うのはどう言う意味なのか…。
“友達”以上…
「………っ////」
「…アレルヤ先輩…?」
「えっ!!!あ、いや……その…!!!!」
「……?」
恐らくさっきの言葉は無意識に出たものかも…?けれど無意識の内に言われる程自分はマリーの中で大きくなっている存在なのだろうか…
隣でマリーが小首を傾げている。
アレルヤの顔が緩む。
顔が期待に満ちてしまう。
まだ会って一週間とちょっと…けれど常識的に考えても、会ったばかりで、あの子の気持ちなんてまだ1000分の1も聞いていないだろうに…それなのに告白なんて……………告白………告白……?
告白?!!!!!
今になって恋と言うものを自覚する男、アレルヤだった。