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□第一章
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「大丈夫ですか…?」

「と…友達以上って……」

「え?」

「───っっ?!!!な、何でもないよ?!!!それじゃあまた放課後っ!!!!」

「えっ、あ、あの先輩っ?!!」


僕はマリーの顔をまともに見れず、その場から走り去ってしまった。
それでも何気にしっかりと放課後に会おうと無意識に言伝を残して去って行ってしまった挙動不審なアレルヤに、マリーは彼の言葉を思い出す。



“と……友達以上って……”


「……っぇ…私っ…///」

「マリー」

「あ、…ソ……ソーマ…」














─────昼休みの屋上。




「だっせー」

「し、仕方ないだろっ?!!だってその…彼女がそんな事言うなんて…」

「ノロケてんじゃねーようぜぇ!!!!!(怒)」

「落ち着け。アレルヤ・ハプティズム」

「昼食ぐらい静かに食べろ」

「あ〜あ〜、すっかり色気づいちゃってまぁ〜…青春ってやつかねぇ」

「ち、茶化さないでよロックオン!!!」


スパーーン!!!とハリセンで打たれる音が響き渡った屋上。
そこに集まった色男(?)5人の面子。その周りにも昼食をとりに集まった生徒達がいたのだが、何やらその輝かしいイケメンオーラに心奪われる女子生徒達がキャーキャーと色めき立っていたが…。


ちなみに珍しく騒ぎ立てるアレルヤにハリセンを見舞ったのは二年のティエリア・アーデ。その両隣には一年の刹那・F・セイエイと、現代文教師のロックオン・ストラトスと言う何とも不思議な組み合わせのメンバーが揃って食事をとっていた。

まさかあの大人しいアレルヤが恋をしたと言うのだから、ハレルヤはともかく、そんな恋話に目を輝かせる現役教師は進んでアレルヤに提案を持ちかける。


「なぁアレルヤ。お前はそのマリーって子が好きなんだろ?」

「えっ……う、………うん…//」

「それで?確認するが、その子のどこに惚れたんだ?一つや二つ、具体的な意見を持っていた方が伝える言葉に自信が持てるんだぞ」

「マリーの…?」


ロックオンに改めて問いただされ、ベーコンに巻かれたアスパラを挟んだ箸の動きを止めたアレルヤは、その問いかけに静かに考えた。






図書室で初めて出会ったあの時…その後ろ姿だけでも、自然と惹かれてしまった…。
雰囲気と言うのか、とにかく見た目も穏やかで…その後に、ほんの少しだけれど交わした会話。
繊細でいて…落ち着いた物腰。フワフワ、と言った表現が似合うのだろうか…。
それなのに…優しい声なのに、どこか芯の通ったしっかりとした声。






マリーを思い浮かべているのであろうアレルヤの顔は本当に幸せに満ちていて眩しいぐらいである。


「アレルヤ、幸せそうだな」

「刹那、彼のあの顔は惚けていると言うのが正しい」

「お前ら本当に自分に対しても他人に対しても冷めてんのな…」


初老かよ、と二人に突っ込むロックオンを余所に、ふと隣にいるハレルヤの顔を見たアレルヤは、何故かその顔が少し面白くなさそうに見えたような気がした。
だが、それに気付いたハレルヤは空になった紙パックのジュースに刺さったストローをくわえてプラプラさせながら目線だけを動かして口を開く。


「それで、しっかりと約束を置いて来た今日の放課後は早速告白タイムってか?」

「別に、今日だなんて言っていないよ…。まだまともに…話だってちゃんとしていないのに…」

「…あっそ」


言葉短にそう言う弟が何だか気にかかる。
のぼせ上がり過ぎてしまっているのだろうかと、アレルヤは少し平静を取り戻そうとした。


「おっ、と。それでは諸君、昼休みも残り少なくなって来たので解散だ〜」

「…そうだな」

「はぁ……貴様の授業が午後の締めとはな」

「ティエリア〜…それはどういう意味かな?」

「言葉通りの意味だ。ロックオン・ストラトス」

「この野郎…可愛い顔して言いやがる」

「まぁまぁロックオン、早くしないとチャイムが鳴るよ?」


ドタバタと騒がしくなった屋上を後にして、面々はそれぞれの教室へと戻って行く。



しかし、アレルヤの顔は少し陰りを帯びて…。














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