naruto
□指先
1ページ/3ページ
細く長いその指先に、触れたいと思ってしまうのはいつも私の方
ウタカタ様は今日もお決まりの場所でシャボン玉を吹いていて、私はその隣でウタカタ様の横顔を見つめる
気持ちいい風が吹いてウタカタ様の髪が靡く。その美しい姿にドキドキしてしまう私の胸
「…ホタル」
『え?//』
いきなり名前を呼ばれてびっくりした。気付けばウタカタ様のシャボン玉を吹く手は止まっている
「俺なんかといて楽しいか?」
何を言ってるの?あなただから楽しいのに。ずっとこうしていたい…でもそれは私の一方通行
『私は、こうしているだけで幸せなんです』
「そうか…」
そう言うとまた前を向く。相変わらず素っ気ないな…やっぱり、私が邪魔なのかしら
『あの、ウタカタ様』
綺麗なシャボンが舞う中、私の心臓が高鳴りっぱなしで
「何だ」
顔色一つ変えないウタカタ様
『やっぱり私、邪魔でしょうか?』
「…」
『…すみません』
立ち上がると肩にシャボンが当たって割れた。触れただけで壊れちゃうなんて、儚い
「おい、どこへ行く」
『どこって…部屋に戻ります』
「……別に」
『え?』
「別に俺は、迷惑だなんて一言も言ってないんだが」
ドキンと胸が高鳴る。ウタカタ様の綺麗な目が、私を捕らえていた