書架
□突撃・隣の****!!
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――コンコン、コンコン、と。
恐らく部屋の扉をノックする、その音でフラウが覚醒したのは、夜中もいいところだった。
覚醒、とは言っても、まだ半分くらい意識を夢の中に置いてきたつもりだ。
…眠いのだ。
――コンコン、
フラウの事情をよそに、棺桶の中から聞くため曇ったその音は止む気配を見せない。
しかし、現在時刻と自分の披露具合から考え、フラウが居留守を決め込み、寝返りをうった瞬間だった。
――コンコンっ、
音が、意外と近かったことに気が付いた。
手放しかけた意識を無理やり呼び戻して考える。
――コンコンっ
…あぁ、なんだ。
…部屋の戸じゃねぇ、棺桶叩いてんだ。