書架

□突撃・隣の****!!
1ページ/6ページ

――コンコン、コンコン、と。

 恐らく部屋の扉をノックする、その音でフラウが覚醒したのは、夜中もいいところだった。


 覚醒、とは言っても、まだ半分くらい意識を夢の中に置いてきたつもりだ。
 …眠いのだ。

――コンコン、

 フラウの事情をよそに、棺桶の中から聞くため曇ったその音は止む気配を見せない。
 しかし、現在時刻と自分の披露具合から考え、フラウが居留守を決め込み、寝返りをうった瞬間だった。

――コンコンっ、

 音が、意外と近かったことに気が付いた。
 手放しかけた意識を無理やり呼び戻して考える。

――コンコンっ

 …あぁ、なんだ。

 …部屋の戸じゃねぇ、棺桶叩いてんだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ