書架
□ぜんぶ知ってるから。
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「っぁ、…ふら、」
「暴れんな、」
オレに覆い被さるフラウの背後には天井。
こんなことはもう何度目になるか分からないけど、いくら全力で抵抗したってフラウには敵わない。
「やめっ…!!」
両手で広い胸板を押し返してたけど、逆にその手を絡めとられ、頭上でシーツに縫い付けられてしまう。
為す術もなく衣服を暴かれていく感覚に、背中がぞくぞくと粟立つのが自分じゃないみたいだ。
「フラウっ、やめ、ろっ」
「だから暴れんじゃねぇっ」
「やっ…っ、」
抵抗すればするほど手首が締め付けられて苦しい。
そのうえ、胸の突起に生暖かい感触を覚えて、つい身体が大きく跳ねてしまった。
奴は、そんな仕草を見逃さない。
「しっかり感じてんじゃねぇか」
ニヤリと笑われれば、羞恥に全身の熱が高まる。
「ざっけんな、っァ、んゃっ」
「ちっ、可愛くねぇの」
「だ、れがかわいいっ…ゃっ、そっちは…!!」
生暖かい感触がするすると腹を滑ったかと思えば、待ったなしと言わんばかりに骨張った手が下肢にあてがわれる。
そのままやわやわと刺激されるのもいつものこと。
「ゃぁっ!!フラ、ウっ」
「前言撤回。…超可愛い」
「ばっ、かやろ、んぁっ、」
じたばたと足を動かすが、上手く力が入らない。
「今悦くしてやっから」
「ぃ、いらなっ…っぁ!!」
冷えた外気が直に触れ、全身が総毛立つ。
休められた手についぼうっとしてしまったが、ぎしり、というスプリングのどこか淫らな響きで我に返る。
ちょうど、フラウがシャツを脱いで体勢を直したところだった。
「てめっ、調子のんなっ!!」
「てめーこそいい加減に慣れやがれ」
「慣れるもクソもっ、ーーー!!」