short shot
□不老不死
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白い清潔感のある室内
まあ普通の病院だ。
心なし機材が多い以外。
俺
『んーなんでだったかな、俺が不老不死になった理由。』
『確か…。』
『賭けに勝ったんだっけな。』
彼方
『賭け…?』
俺
『あのな、昔ゲームが大好きな妖怪がいたんだ。』
『んで俺と勝負したんだが、俺は生まれつき強運だったんだ。』
へー…と相槌する。
俺
『6。』
と言いながらサイコロを振る。
彼方
『5だな。』
俺
『あぁ、5だ。』
『惜しいな。』
まあもっともサイコロなのだから惜しいもなにもないのだが。
俺
『まあそいつと勝負したんだ。』
賭けたものは自分の寿命、と付け加える。
『そしたらやっぱ俺が勝っちゃって。』
『相手も妖怪だから寿命がほぼ無限なわけで俺が途中で降りたんだ。』
彼方
『それで不老不死?』
俺
『そう。』
しかし今日は眠い。
話してる最中に眠くなってきた。
俺
『悪いそろそろ寝るな。』
『2。』
サイコロの2の目は上を向いた。
閉じた瞳と、開いた2つの目。
彼方
『同じ日に永遠に囚われるのも、たしかに不老不死かもしれないな。』
俺
『んーなんでだったかな、俺が不老不死になった理由。』
『確か…。』
『賭けに勝ったんだっけな。』
そうして私はいつも通り答える。
彼方
『賭け…?』