その他の日常

□一目惚れ
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ある日の放課後


「おーい 修兵」

「何だ?」

「このプリント三年に持って行ってくれねぇ?
俺用事があって急がないといけねぇんだ」

「あーわかった
持って行ってやるよ」

「修兵サンキュー!」

友は嵐のように教室から出て行った


「(仕方ねぇ…行くか)」







三年の廊下

「やっぱり放課後は部活行ってる人多いから、人すくねぇな」

なんて考えていると、電気のついている教室が1つあった

「(3−4か)」

ガラッ

「!」

すると人が出てきた

「あ?一年生が何のようだ?」

修兵は固まってしまった

その先輩は銀色の髪をし、目つきは悪いが真の通った真っ直ぐな目をし、腕まくりをした喧嘩が強くて有名な

六車拳西先輩だった


「あ、あの プリントを持ってきたんすけど」

「おー、わざわざ どーも
少し待ってろ」

「は、はい」


暫くして教室から「やっぱ入ってこい」という声がした

遠慮がちに入室し、あたりを見渡した


「一年に渡せって言われてたプリントがまだあんるんだが…」

「持って行きます」

「いや…俺も持って行くわ」

「でも、」

「お前が全部持てるわけないだろ」

そう言われて机を見れば、軽く山になるほど量のプリントがあった

「大丈夫です;」

「いいって
どうせ帰るつもりだったし
ついでに一年の教室行けばいい」

「けど、」

どうしようか考えていると

「おら 行くぞ」

先輩は、両手にプリントの束を持ち、ガラッと足で教室の扉を開けていた

「(早っ!)」






一階、一年生廊下

プリントを運んでいるとき、六車の姿を見て思った


六車先輩みたいに、たくましくなりたい

別に運動が出来ないわけではなく、ただ憧れた

でも、その憧れは…



プリント運びが終わり、下駄箱へ向かう途中

「おい、檜佐木」

「なんスか?」

「お前部活入ってるか?」

「今は入ってないスけど…それが何か?」



「剣道部に入れ」


それは一言だった



「な、何でですか?」

いきなりだったので、どもりながらも聞いてみた


「まー、いろいろだ」


「いろいろって何ですか!?」


「っせ!

…お前が気に入った

ただ、それたけだ!」


それを聞いた俺は暫く固まってしまった


「ほら行くぞ


    修兵 」


修兵……名前を呼んでくれた

「は、はい!//」


顔を真っ赤にしながら、拳西の後ろについて行く


初めて体育館で見た時から、気になっていた


入学式の時で見た時から気に入っていた


2人はこの想いを胸に抱き、


「「(これを一目惚れって言うのだろうか…)」」


と心の中で呟いた


その恋はいつ実るのか…





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