NOVEL ーOriginal
□約束(未完)
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「はぁ〜、お腹いっぱい」
「もう食えねぇ」
「楽しかった〜!久しぶりに大笑いしたよぉ」
「またやりたーい」
「だな。いつにする?」
「ね、ね、また企画してよ、愛美(えみ)」
「ええ?また私がやるのー?」
大学時代からのお決まりの仲間8人が集まり、バーベキューをした。
以前のように頻繁には無理だけど、1・2ヶ月に1回ぐらいは、こうしてみんなで集まる。
企画を進めるのは毎回ほとんど愛美の役目になっているのだ。
「だって段取りも手際もダントツじゃんか」
「それは慣れちゃってるからだよ。今日なんか、私ぜんぜん食べられなかったんですけどー。…って、そこ二人!寝転がってないで片付けぐらい手伝ってよぉ」
イベントをやりたいと言い出すのは他のメンバー。話が盛り上がってくると、たいてい愛美が具体的な段取りをつけてくれる。
今回も、キャンプ場やレンタカー、食材なんかも彼女が手配してくれた。
食材やドリンクなんかは事前に注文し、値引き交渉まで済ませておくあたり、ちゃっかりしてる。
いつも任せっぱなしで申し訳ないと思い、一度だけ私が幹事をやると申し出たことがあった。
……やる気は、間違いなくあったんだけど。愛美に教えて貰いながらモタモタしているうちに、結果的には彼女がほとんど動いてくれていた。
つまり、私なんかが手を出さない方が、スムーズに準備が進むというわけだ。