PROSE
□- 靄(もや) -
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目の前に靄がかかって
前が見えなくても
手探りで進むことができる
私の足は動くから
そう思っていた
それがいいと
思っていた
靄が晴れるのを
待つのもいいかもしれない
湿った空気の匂いを感じながら
ただ佇むのも
悪くはない
靄そのものを
観察するのもいいかもしれない
がむしゃらでなければならないなどと
勘違いしてはいけない
鼓動を治めよ
地の脈動に委ねよ
命の故郷を
奥深くで感じよ
魂に潤いを与える時間なのだ
-みゆき-
2011.6.5