believe-心-

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銀時と再会した次の日。

今日はちょうど非番だ。

だから銀時に会いに行く。

口封じの為に。


銀時に、私に関することを隠しているとは言った。

だけど口封じまではしていない。

暇が出来たら遊びに行くと約束もしたし。



「灯」

『……なんだ』

「何処、行くんだ?」

『銀時のところだ』



副長に止められた。

けれど、それだけの会話をして私は屯所を出た。


昨日銀時に貰った名刺を頼りに、私は万事屋銀ちゃんを目指す。




『此処か……』



しばらくして、“万事屋銀ちゃん”に辿り着いた。

少し迷ってしまったけれど。


階段を上がり、チャイムを鳴らす。

中からはーいと男の子の声が聞こた。

その声がした少しあと、目の前の扉が開いた。



「依頼ですか?」

『いや、銀時に用がある。呼んでもらえるか?昨日会った旧友だと伝えればわかるはずだ。わからなかったらそうだな……攘夷時代を共に過ごした戦友だと言ってくれ』

「わかりました。ちょっと待ってて下さいね」

『ああ』



出てきた眼鏡の男の子は、礼儀正しく接してくれた。

初めので通じたのか、すぐに銀時は出てきた。



「どうした?咲菜」

『ちょっと話があって。来てくれる?』



おう、と言って銀時はついてきてくれた。

まぁ甘味処には銀時が案内してくれたけど。




「で、話って?」

『うん。私のことなんだけど。昨日私に関することは、隠してるって言ったじゃんか。それで銀時も、私のことは隠しといてもらおうと思って。副長とか昔の私を知らない人の前では“灯”って呼んで』

「おう、わかった」



やっぱり、銀時は聞き分けがいい。


昔からそうだった。

みんなの中で、一番銀時が聞き分けがよかった。


今日は非番だ。

昨日みたいにお腹が空いたって焦らなくていい。

銀時とゆっくり話が出来る。


みんな、晋助とかヅラとか辰馬とか、今なにしてるのかとか、色々訊きたいことがある。

口封じもしなきゃいけない。

だから、みんながいる場所も訊かなくちゃいけない。


会ったら、ゆっくり話がしたいな。

昔みたいにみんなで集まって、ってのは無理だと思うけれど。




想い出も楽しい物ばかりじゃないけれど。

そりゃそうだけどさ。

だけど思い出すのは、やっぱり楽しかったことばかり。

楽しかったんだもん。






(2009.07.24)


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