believe-心-
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あいつはステージ側だと言っていた。
正面から入るとステージまでは遠いだろう。
それに街のみんなもいる筈だ。
裏口のようなものがあればいいのだけれど……。
呼吸もままならない状態でふらつきながらも扉を探した。
少しして幾つか扉は見つかったけれど、どこも鍵がかかっていて開きそうもない。
いつ毒ガスが放たれるかわからない状況の中、迷ってはいられなかった。
私は意を決してひとつの扉を剣で切りつけて壊した。
扉の向こうには人はいなく、薄暗い舞台裏のような場所だった。
足を踏み入れるとそこは確かに舞台裏で、私は捜した。
『な、い……』
その場所に毒ガスの装置はなく、折れそうになる心に喝を入れて反対側へ行った。
探す途中、何かに躓いてこけた。
私はもうここで死ぬのか。
冷静に考えた瞬間、
――立て、咲菜。お前ェにはまだやることが残ってるだろ。
副長の声だった。
辺りを見渡すと奇妙な機械があり、私が躓いたのはその機械のコードだとわかった。
機械に近づくと、側面に色々書かれてあって、それこそが毒ガスの装置だった。
まずコードを切断し、電気の溜まっているところを破壊した。
「!君は……咲菜ちゃんじゃないか、」
「本当だ、咲菜ちゃんだ!」
『皆さん……よかった、無事で……』
ステージに上がり、息を整えているとかかった声。
一人をきっかけに色んなところから声が聞こえてきた。
私はその声に安堵を覚え、焦らずに息を整えた。
そして、
『聞いてください!私は、皆さんを助けに来ました!今皆さんを監禁した奴らを真選組が粛正しています!皆さんは、もう解放されました!』
街の人に全てを話したあと、私は倒れた。
ありがとうございます、副長。
私は貴方に、命を救われました。