この詩は誰のもとへ

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七海の家で昼飯を食った。

少しの間話をしてから、最寄の映画館まで歩く。

途中話が途切れることがあった。

けど、まぁ普通に話してたら映画館に着いた。


俺らは運が悪かったらしい。

上映が始まって15分くらい経った頃に、映画館に着いた。

だから次の上映まで待たなくちゃならねえ。


ということで、今いるのが映画館の近くの喫茶店。

七海は少し前まで此処でバイトをしていたらしい。

今は違うところに行ってるんだとか。



「なぁ七海。気になってたんだけどよ」

『ん?』

「それ、なんだ?」

『これ?……メモ帳』



話すことがなくて、飲み物を注文してから、ずっとみずきが手にして書いているソレ。

初めてあった日からずっと気になっていた。



「メモ帳なのは見たらわかるっつの。何書いてるかだよ」

『気になる?』

「おう」

『じゃ、学校で私を探すことだね』



七海はそれだけ言うと、またそのメモ帳に目を落とした。

さっきウエイターが運んできた飲み物に少し口をつけて。


それから俺は時間が来るまで、ただボーっとしていた。

外を眺めていたり、七海を見ていたり。



「七海は、主人公次、どうなると、思う?」

『どう、なるだろ。わかん、ないや』



二人して涙を流しながら、映画館を出た。

さっき上映が終わったところだ。


この映画はシリーズものだったみたいで、かなり気になる終わり方をした。

だから続きが気になる。



「次も、観に来ような」

『うん』



次のやつの放映がいつになるかはわかんねえ。

だけど絶対、観に来る。



今日は気になることが2つ出来ちまった。

一つはあの映画の続き。

もう一つは七海の持っているメモ帳の中身。


学校は明後日だ。

ていうかどうして学校なんだろう。

今教えてくれたっていいのに。


それに俺は、七海が休憩時間何処にいるかなんて知らねえ。

だって七海は、気づけば教室にはいない。

更に、気づけば教室にいる。

休憩時間中に七海を見たことなんて、一度もない。




色んなこと気になってんだけど。

教えてくれてもいいじゃねえか。

次まで、学校まで、月曜日まで待てるかってんだ。






(2009.07.19)


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