君の中へ堕ちてゆく

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きっと、俺が全部悪いんでさァ。

珠姫の背中の傷のことに触れて。

ああいうものは、触れちゃいけねェのに。

本人が話してくれるまで、待たなきゃなんねェのに。

なのに俺から訊くなんて、俺ァどれだけデリカシーがないんでィ。


誰にだって、触れられたくねェことはある。

俺だってそうだ。


何故俺ァ、そんなことを察しなかった?

バカとしか言えねェや。



……俺ァ、ただの大馬鹿野郎でしか、ないみたいでさァ。






過去をしてくれたその暁には



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