believe-心-

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俺の行きつけの甘味処。

適当に空いてた席に座って、俺と咲菜は話をする。


内容?

んなもん決まってんじゃねェか。

ヅラとか高杉とか、辰馬とかが今どうしてるかだよ。



『ヅラは今、何処でなにしてんの?』

「ヅラは池田屋にいて、今も攘夷活動やってらァ。過激派は引退して穏健派になってるがな」



咲菜と共にチョコレートパフェを食べながら、話は進む。


俺は初め、いつものやつを食べようかと思った。

けど咲菜がチョコレートパフェを食べたいと言った。

だから結局、チョコレートパフェにした。



『辰馬は?』

「宇宙を旅してらァ。ま、当分戻ってこねェだろ」

『そっかー。みんな元気かな?』

「元気有り余ってんじゃねーの?」



咲菜はへぇ、と言うと、残っているチョコレートパフェを一気に食べきった。



『銀時は最近どう?』

「全然ダメだな。依頼が来ねェ」

『ありゃりゃ。仕送りしてあげよっか?』

「大丈夫だ、気にすんな。俺ァなんとかなるさ」



少し間を置いて、咲菜はそっかと言った。


咲菜は不意に、すみません、と言って店員を呼んだ。

店員が来ると、咲菜は色々と注文した。

もちろん大量に。

腹が減ったらしく、何か食べたいようだ。



「咲菜こそ最近どうよ?仕事は上手くいってる?」

『仕事は順調だね。書類整理は面倒だけど、見廻りとかは結構楽しいかな』



よかったじゃねェか、と俺が返すと、咲菜の注文した品が一つ届いた。

その後も続々と注文した品が届く。


五分もしないうちに、テーブルの半分を皿が占めてしまった。


咲菜は昔と、なにも変わっちゃいねェ。

明るいし可愛いし品があるし。

笑顔だって昔のままだ。

もちろん、かなりの大食いさも。


――戦いを好む侍。

それは今も、咲菜の中で生きているのだろうか。

いつか暴れる日が来るのだろうか。




変わらない君と変わった君がいる。

人は変わるもんだから、仕方ねェけど。

飯を食いながら、咲菜が呟いたのを、俺は聞き逃さなかった。




“松陽先生……”






(2009.07.24)


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